大学サイトランキング

第1位 明治大学

総合ランキング第1位は明治大学となった。初の栄冠獲得である。カテゴリ別ランキングでも、「機能性・使いやすさ」「情報発信の積極性・先進性」でそれぞれ第1位の評価となった。

学部サイトや就職ページをはじめ、サイト全体をとおして統一されたデザインと操作性は、ユーザーのサイト利用とサイト内回遊を容易にしてくれる。迷ったときのサイト内検索機能も優れており、全体的なユーザビリティが高い大学サイトである。また、基本的な大学・教育情報の公表はもちろんのこと、iTunes Uを経由した情報発信、あるいは自校サイトを利用して大学の役割や取り組みを発信するコンテンツ展開など、インターネットの特性を活用した積極的な情報発信も行われている。

ユーザビリティ、コンテンツの両面に及ぶ数々の優れた取り組みが、最高評価へとつながっている。

第2位 龍谷大学

総合ランキング第2位は龍谷大学となった。カテゴリ別では、「大学・教育情報の充実度」で第1位の評価となっている。

学部や授業・研究者情報に加え、入試に関する多彩なコンテンツなど、さまざまな工夫がこらされたコンテンツづくりが高い評価となっている。また、通常は得てして総花的な振り分けリンク一覧なりがちなトップページを工夫し、タブレット端末での操作への配慮や活動トピックスに焦点を当てたページ構成をとるなど、新しい可能性を感じさせる大学サイトでもある。

第3位 立教大学・同志社大学・大阪府立大学

総合ランキング第3位は立教大学、同志社大学、大阪府立大学の3校が同時受賞となった。

立教大学は、教育情報の幅広い公表に加え、スマートフォンサイトを新たに構築するなど、コンテンツのみならず先進性の面でも高い評価を得ている。

同志社大学は全体を通じてナビゲーションやデザインの一貫性に配慮されているうえ、課外活動サイトやオープンコースウェアなど、特色ある取り組みも行われている。

そして大阪府立大学は、「機能性・使いやすさ」で第2位の評価となった高いユーザビリティが特徴であり、一貫したナビゲーション体系をはじめとした情報の探しやすさが特徴である。

総評とトレンド

平成23年度より施行された「教育情報の公表」制度により、ウェブサイトにおける教育情報の掲載・提供が大きく進展した。今回の調査では、457のノミネートサイト中87%が教育情報公表のためのページを持ち、64%はトップページに公表ページへの導線を目立つように設置していた。コンテンツづくりに対する工夫の優劣はあれ、大部分の大学サイトにデータが掲載されている現状は、受験生をはじめとするさまざまなステークホルダーにとって有益なものになっているといえるだろう。
(※詳細な情報は当社のWebサイトレポート「大学サイトにおける教育情報公開状況レビュー」を参照)

他方、PDFに依存した情報展開が多いうえ、ユーザビリティを著しく欠くページが多いため、ユーザーの利用や閲覧に配慮した情報提供が今後の課題である。そして、数字の公表だけではなく、その裏側にある取り組みや行動をどのような形でユーザーに伝えるかという点も残された大きな課題だ。「どのような教育・研究活動が行われているか?」「学生たちは日々どのような生活を送り、どのような成果をあげているのか?」など、具体的にイメージできるようなコンテンツ展開も合わせて必要ではないだろうか。

大学が人的資本形成の場であるならば、その教育費は人的資本のための投資である。 投資には往々にして不確実性が伴うため、その意思決定に際しては、不確実性を低減させるためのさまざまな情報提供が不可欠となる。ウェブサイト上でまずは基本的な情報提供が大きく進んだことは評価すべき点であり、今後のより一層の進展を期待したい。