楽天証券は楽天グループの証券会社で、大手ネット証券の一角だ。取引に応じて楽天市場の楽天スーパーポイントなどがたまるポイントサービスも提供されているなど、楽天グループならではのサービス連携も図られている。
楽天証券の大きな特徴としては、アクティブトレードを志向するユーザー向けのサービスが揃っていることがあげられるだろう。その中でもまず特筆すべきは、楽天証券がほこる多機能型取引ツール「マーケットスピード」の存在だ。市場に関する情報収集・分析はもちろん国内株式・米国株式・日経225先物・オプション・FXといった商品の取引に幅広く対応している。東証の新売買システム「アローヘッド」への対応も進んでおり、追加サービスとして「フル板」(別途利用料が必要)情報を利用することも可能だ。マーケットスピードを利用するための条件も緩和されてきており、現在では「信用取引・FX・日経225先物・オプションのいずれかの口座を開設」や「30万円以上の預かり資産」といった取引実績に依存しない利用条件で、マーケットスピードを無料で使い続けることができる。さらに手数料体系についても、トレードツールを活用して頻繁に取引を行うユーザー向けに「日計り取引片道無料」となるなど、アクティブな取引に適した証券会社となっている。
一方で、金融商品の取扱いを急速に拡大してきており、いわば金融商品版「楽天市場」ともいえる幅広い品揃えとなっている。特に、投資信託は種類も豊富であることに加え、1,000円以上1円単位からの積立投資にも対応している。そのため楽天証券は、リスク分散を図りながらの長期的な資産形成という使い方でも活躍する証券サイトといえる。またこの点において、楽天証券では投資信託積立の引落に楽天グループのクレジットカード「楽天カード」からの引落に対応している点も便利である。
ログイン前のサイトには基本的なサービス情報はもちろん、マーケット情報や個別商品の時価情報(非ログイン状態では20分遅れ)が提供されており、すでに利用中のユーザーはわざわざログインしなくても市況動向を手軽に確認することができるほか、これから投資を始めようというユーザーが市況の動きを研究したりするのにも便利である。
さらに、ログイン前の商品情報ページと、ログイン後の取引ページの連携が進んできている点にも注目したい。多くの証券サイトでは、例えば商品情報ページで投資信託の商品情報を閲覧していて「この銘柄を購入しよう」と思った場合には、ログインしてから取引ページでその銘柄を再度探す必要がある。だが楽天証券では、ログイン前の商品情報ページに「この銘柄のお取引ページへログイン」といったボタンが設置されており、このボタンからログインすれば、直前に見ていた商品の購入ページへそのまま進むことができる。商品に関する情報収集から買付手続きまでスムーズに進めるよう配慮されたサイトとなっている。
(本レビューは、2010年1月20日時点のサービスに基づいております)