マネックス証券は大手ネット証券の一角で、個人投資家への資産運用に関する投資教育・啓蒙活動にも積極的な証券会社だ。2010年中にもオリックス証券との合併が予定されており、今後の展開にも注目が集まっている。
投資期間の長短に関わらず、投資を行う上でマーケットや銘柄に関する情報収集は欠かすことができない要素である。マネックス証券の大きな特徴として、この投資情報が充実していることがあげられる。
国内の主要マーケット情報や個別銘柄情報・分析レポート情報が提供されていることはもちろん、海外市場の情報や金利・債券市場などに関する情報や、世界各国の重要統計の発表予定をまとめた「経済指標カレンダー」といった情報も提供されているなど、カバーする投資情報の範囲が広い。世界各国のマーケットがますます影響し合う状況の中で、このような幅広い視点からの投資情報の提供が今後も重要度を高めていくものと考えられる。
これらの豊富な情報が活かされる、幅広い金融商品ラインナップも魅力だ。
さまざまな投資ニーズに対応できる幅広さとなっているが、他社と比較すると特に投資信託や債券について、商品の充実度や関連サービスの手厚さに強みがある。例えば、投資信託ではマネックス証券でしか購入できない独自の銘柄を取り扱っていることに加え、積立投資では証券口座引落や銀行口座引落以外に、セゾンカードによるクレジットカード引落が利用できる点も魅力である。外国債券では利金や償還金を外貨のままでプールしたり、保有する外貨預り金や外貨MMFを同通貨建ての債券購入資金に充当できるといった、「外貨決済サービス」が提供されている点も長所となっている。
このようにマネックス証券は長期的な資産形成を志向するユーザーにとって特に重要な論点となる、グローバルな投資情報の充実と、様々な資産ポートフォリオの構築が可能な金融商品の幅広さを兼ね備えた証券会社となっている。
マネックス証券のウェブサイトの特徴を一言で表すとしたら、「親切」なサイトであるといえる。例えばウェブサイトを利用していて、「このページからあのページへすぐにアクセスできればよいのに」といったこともよくあるだろう。マネックス証券はこのような、関連あるページ間の繋がりや、ページ内の情報に対する補足説明リンクの設置といった、「次の行動に移るための手助け」という視点からの配慮に富んだサイトとなっている。
こういった使いやすさへの配慮は銘柄検索の使いやすさにも現れている。あまり目立たないが、証券コードや銘柄名を検索窓に入力して検索するというこの機能にも証券会社によって使い勝手に差がある。例えば「キャノン」と入力した場合でも「キヤノン」を探すことができるか、あるいは証券コードの数字は半角だけでなく全角で入力した場合でも検索できるか、これだけでも証券会社によって検索結果は大きく異なる。マネックス証券ではもちろん、上記のようなケースでも目的とする銘柄を表示することができるようになっており、このような面からも使いやすい証券サイトということができる。
(本レビューは、2010年1月20日時点のサービスに基づいております)