2009年4月20日
2009年4月15日に発表した「IRサイトランキング2009」の優秀企業(総合得点6.00以上)は110社となり、2008年の101社から微増となった。各業種の分布は以下のとおり。
業種 | 2008年3月調査 | 2009年3月調査 | ||
---|---|---|---|---|
水産・農林業 | 0社 | → | 0社 | → |
鉱業 | 0社 | → | 1社 | 1↑ |
建設業 | 0社 | → | 1社 | 1↑ |
食料品 | 3社 | 1↑ | 5社 | 2↑ |
繊維製品 | 2社 | 1↑ | 2社 | → |
パルプ・紙 | 0社 | → | 0社 | → |
化学 | 4社 | 2↑ | 6社 | 2↑ |
医薬品 | 3社 | → | 4社 | 1↑ |
石油・石炭製品 | 3社 | 2↑ | 4社 | 1↑ |
ゴム製品 | 0社 | → | 0社 | → |
ガラス・土石製品 | 1社 | → | 1社 | → |
鉄鋼 | 0社 | → | 1社 | 1↑ |
非鉄金属 | 2社 | 2↑ | 2社 | → |
金属製品 | 0社 | → | 0社 | → |
機械 | 3社 | 2↑ | 3社 | → |
電気機器 | 21社 | 6↑ | 21社 | → |
輸送用機器 | 6社 | → | 5社 | 1↓ |
精密機器 | 2社 | → | 2社 | → |
その他製品 | 2社 | 1↑ | 1社 | 1↓ |
電気・ガス業 | 2社 | → | 2社 | → |
陸運業 | 1社 | → | 1社 | → |
海運業 | 1社 | → | 2社 | 1↑ |
空運業 | 0社 | → | 0社 | → |
倉庫・運輸関連業 | 0社 | → | 0社 | → |
情報・通信業 | 12社 | 4↑ | 11社 | 1↓ |
卸売業 | 5社 | 1↑ | 6社 | 1↑ |
小売業 | 2社 | 1↑ | 3社 | 1↑ |
銀行業 | 5社 | → | 5社 | → |
証券・商品先物取引業 | 2社 | → | 4社 | 2↑ |
保険業 | 3社 | 1↑ | 5社 | 2↑ |
その他金融業 | 5社 | 2↑ | 3社 | 2↓ |
不動産業 | 6社 | 5↑ | 3社 | 3↓ |
サービス業 | 5社 | → | 6社 | 1↑ |
合計 | 101社 | 31↑ | 110社 | 9↑ |
一次予選通過企業数 | 778社 | 25↑ | 740社 | 38↓ |
IRサイトランキング2009では、新規にIRサイト優秀企業に選出された企業が25、対して脱落はした企業が16と、出入りが激しい結果となった。これは純粋にコンテンツが削減されたサイトのみならず、コーポレートガバナンスのような昨今重要性の高まった情報に対する評価基準を厳しくしたことによって、これらの情報が手薄なサイトの評価が低下したことも一つの要因となっている。
業種別に見ると、鉱業、建設業、鉄鋼の3業種では初めての優秀サイト(国際石油開発帝石、千代田化工建設、新日本製鐵)が現れた。他にも化学や海運など、いわゆるB2Bを主体とする企業もIRサイトの改善が進み、IRサイトのリニューアルやコンテンツ追加等が行われている。他方、その他金融業、不動産業の二業種は複数サイトが減少した(不動産業は5社脱落、2社新規選出の▲3社と、出入りが激しかった)。
次いで、カテゴリスコアを見てみる。下表は予選通過740社の平均値である。
2008年3月 | 2009年3月 | (増減率) | |
---|---|---|---|
総合得点 | 4.73 | 4.83 | +2.1% |
ウェブサイトの使いやすさ | 6.00 | 6.25 | +4.2% |
企業財務・決算情報の充実度 | 4.47 | 4.51 | +0.9% |
経営組織・戦略情報の充実度 | 4.00 | 4.18 | +4.5% |
きめこまかな情報開示 | 3.94 | 4.03 | +2.3% |
一次予選通過企業数 | 778社 | 740社 | - |
2008年調査よりも全スコアで平均値は伸びている。中でもウェブサイトの使いやすさ、経営組織・戦略情報の充実度は堅調な推移を示している。前者については引き続きリニューアルによってユーザビリティが向上したこと、後者についてはコーポレートガバナンス情報等を掲載する企業が多かったことが寄与している。
逆に、企業財務・決算情報の充実度はほとんど横ばいとなった。全体的に見てこの部分においてはやや出尽くし感があるのか、あまり大きな進化は見られなかった。また、コンテンツを追加・拡張する企業があった反面、グラフの掲載や決算説明会の動画配信等の縮小など、手間や費用のかかるコンテンツの掲載を取りやめる企業が例年になく多かったこともスコアを引き下げる要因として考えられる。