2014年10月06日
2014年9月17日に発表したGomez地方銀行サイトランキング2014では、地域金融の中核を担う地方銀行・第二地方銀行の合計105行のうち、優れたWebサイトに関する一定のノミネート基準を通過した64行を評価した。
ランキングの評価カテゴリは、ウェブサイトの使いやすさを評価する「機能性・使いやすさ」と、情報量を評価する「商品・サービス情報の充実度」の2つである。 商品・サービス情報の充実度は、さらに5つのサブカテゴリから成り立っており、そのうちの1つに「店舗・ATM情報」の評価がある。
地方銀行のウェブサイトに訪れる人は、多くがその地域の住民であり、本店・支店などの店舗の位置はすでに認識していることと思われる。その意味では店舗・ATM情報の機能は、都市銀行や他の業種のウェブサイトにおける店舗検索などとは異なる視点が必要だ。
一つは、地方でもコンビニATMの利用できる箇所が増えてきていることを考慮する必要がある。現在、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスの4社だけでも4万台以上のコンビニATMが設置されている。(図1:コンビニATM設置台数 2014年10月ゴメス調べ)
図1 コンビニATM設置台数
ところが、ゴメス地方銀行サイトランキング2014にノミネートされた地方銀行64行のうち、自社サイト内でコンビニATMも検索できる銀行は6%に止まっており、他の大部分の地方銀行サイトでは、単にコンビニエンスストアやコンビニATM提供会社のサイトに飛ぶだけとなっている。これでは入出金可能なATMを調べようと思ったときに、何度も検索しないといけないことになる。
利用者としては入出金可能な場所を一度で検索できたほうが、圧倒的に利便性が高いだろう。
もう一つの視点は、各店舗に特有の情報がどこまで掲載されているかだ。単に店舗の地図と住所が掲載されているだけでは、ウェブサイトを通じて顧客と密接なコミュニケーションをとっているとは言いがたい。
例えば、店舗からの挨拶・お知らせや、その店舗の魅力の紹介などで、イメージの向上に努めることもできるし、その店舗で開催されるセミナー情報などが掲載されていれば、資産運用やローンなどについて興味のある顧客への付加価値の提供にもなるだろう。
そこで働いているスタッフの写真やコメントを掲載することなども、親近感を抱かせる効果が期待できる。
こういった店舗・ATM情報の充実には、ウェブサイト担当者だけではなく、営業部門やシステム部門、支店担当者の協力が必要になるだろう。それら関係者の協力を通してこそ、地方銀行サイトへの訪問者に価値を提供できることになる。