2024年10月30日
株式会社ブロードバンドセキュリティ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:滝澤 貴志、以下 当社)は、「Gomez証券サイトリライアビリティランキング2024」をGomezのウェブサイト(https://www.gomez.co.jp/)で発表したことをお知らせします。
【概要】
ITシステムがビジネスに大きな影響を与えるようになった現在、スケールし続けるシステムとそのサービスの信頼性・安定性を保ちながら、さらなる発展を目指す取り組みの重要性が増しています。より効率的かつ安定的にサービス展開や運用を行うため、自社のサービス品質に関する目標・評価基準を定め、その計測結果を業務の判断や行動に活かすシステム管理手法として、SRE (Site Reliability Engineering)がGoogleにより提唱されました。このSREの考え方を基本としたサイト評価を当社で実施し、この度「Gomez証券サイトリライアビリティランキング2024」を発表しました。
「Gomez証券サイトリライアビリティランキング」は、企業がインターネット上で一般ユーザ向けに提供するウェブサイトが、いつでも快適かつ安心安全に利用できる状態であるかを評価することを目的として実施します。 評価には当社独自の評価基準を設けており、サイトパフォーマンス、セキュリティ、プライバシーの3つのカテゴリに従って、合計43項目で達成度を調査し、重要度を加味した加重平均点数をもとに総合得点を算出します。評価基準は、ウェブサイトを取り巻くテクノロジーの進展やウェブサイトのトレンドなどにより相対的優位性が変化することを理由に毎回見直しを行っています。
今回は、銀行サイトリライアビリティランキングに続き、金融機関サイトより、国内の主要な証券会社43サイトをノミネートし評価しました。
2024年1月より、税制優遇などのインセンティブを拡大した新たなNISA(少額投資非課税制度)も始まり、証券口座の開設や利用者数は拡大しています。
老後資金などへの将来不安、株価上昇を背景とした投資への関心の高まりもあり、どの年齢層においても、資産形成ニーズは今後も上昇が続くものと推察され、ウェブサイトの信頼性はますます重要性を増すと考えられます。
「Gomez 証券サイトリライアビリティランキング2024」上位の証券会社は、次のようになりました。(10位迄の結果を発表します。)
順位 | 得点 | 会社名 |
---|---|---|
1位 | 8.96 | SBIネオトレード証券 |
2位 | 8.64 | 松井証券 |
3位 | 8.48 | 八十二証券 |
4位 | 8.46 | 岡三証券 |
5位 | 8.41 | 楽天証券 |
6位 | 8.38 | マネックス証券 |
7位 | 8.18 | GMOクリック証券 |
8位 | 8.15 | 日産証券 |
9位 | 8.07 | みずほ証券 |
10位 | 7.90 | 第四北越証券 |
※11位以下のランキング結果はGomezのウェブサイトからお問い合わせください。対象サイトからのご連絡に限りご回答いたします。
【総評と証券サイトのトレンド】
今回のランキングでは、SBIネオトレード証券が総合1位、続く2位は松井証券、3位は八十二証券でした。8点台は上位9位までとなり、これらでは、サイトパフォーマンス、セキュリティ、プライバシーの各カテゴリにおいても平均値を上回る結果となりました。
銀行サイトリライアビリティランキング2024では、セキュリティを最重要カテゴリと位置付けていましたが、証券サイトは、銀行サイトよりも投資を主目的とした口座の開設やそのサイトの性質などから、サイトパフォーマンス、プライバシーも同等程度重要と考えています。このため、3カテゴリの対策をバランスよく実施することが求められ、これは、上位の結果にも現れています。
セキュリティカテゴリの平均得点は銀行サイトと同じく他業種より高く、セキュリティ対策は進んでいると評価できます。調査スコアのばらつきも小さく、各社、日々意識的な対策を講じていることがうかがえます。しかしながら、項目毎の対策深度はランキング順には必ずしもよらず、上位であれ万全とはいえません。セキュリティ分野はWebを取り巻くあらゆる環境の影響を受けます。ユーザサービスとしてウェブサイトを運営する全ての企業/団体にとって、定期的なセキュリティ調査や評価、継続的な対策の実施は、今後も極めて重要といえます。
続いて、パフォーマンスカテゴリでは、Google SEOのスコア指標である、Largest Contentful Paint(最大視覚コンテンツ表示速度)、Cumulative Layout Shift(レイアウトのずれを表す累積レイアウトシフト)の結果がランキング順位へ最も大きな影響を与えていました。各社の調査結果に大きなばらつきは確認されませんでしたが、サイトパフォーマンスにおいては、業界に関わらず、主要指標において著しく悪い状態を放置しないことが重要な視点です。
全ての表示速度指標で最速を目指すより、その指標毎の特性を理解した上で、ボトルネックを解消し、いつサイトを訪問しても安定利用が可能な状態を維持する。これが結果的にランキングを上位に押し上げます。上位10サイトの各表示速度指標は必ずしも高スコアではありませんが、バランスの良い結果と評価できます。また、一般的に達成度の高い指標(稼働率など)で評価を落とさない対策も必要です。
サイトパフォーマンスは、ネットワークやサーバー環境などの影響により急激なパフォーマンス劣化を起こすこともある不確実性の高いカテゴリです。サイトパフォーマンスの劣化はユーザ離脱に直結するため、定常的な監視と日々の改善が求められます。
そして最後に、プライバシーカテゴリでは、調査スコアに大きなばらつきが見られました。問い合わせなど個人情報を提供する際のプライバシーポリシー同意の仕組みの有無が結果に大きな影響を与えていました。プライバシーポリシー設置の達成度は高いため、仕組みの実装により早期にスコアを伸ばせる項目といえます。今回調査対象としたプライバシー項目はそう多くはなく、プライバシーカテゴリのスコアアップは、総合ランキングにも影響を与えます。プライバシースコアはユーザの企業への信頼度を表しますので、上位サイトにならい一つずつ対応を進めることをお勧めします。
サイトで提供しているコンテンツ内容やCookieや3rdパーティモジュールなどを利用したデータの受け渡しなど、どのような情報をサイト内で扱っているかを把握した上で、定期的な各種ポリシーの見直しやそれらを利用ユーザにわかりやすく伝える工夫など、使いやすさも念頭に日々更新を継続することも長期的に重要です。
ウェブサイトを取り巻く環境は半年、1年でも大きく変わります。ウェブサイトの信頼性を常に高く保つためにも、本調査結果や評価基準をお役立てください。
*Cookieとは、ウェブサイトを閲覧したときに、ユーザが訪れたウェブサイトの履歴や入力内容、利用環境などの情報が記録される情報。
2024年9月〜10月
ランキング結果は、調査時点の各サイトに基づきます(※)
2024年9月1日時点の主な国内証券会社
証券コーポレートトップページ(スマートフォンサイト)および、同ドメイン情報を調査
※調査期間中にリニューアルが行われたサイトについては、各調査時の最新状態にて調査を行なっています。
測定結果をリスト化し、各評価の基準となるスコア表を作成。スコア表は、全測定値から平均、標準偏差を元に95%信頼区間までのレンジを設け、小さい数から5つの点数(10点、7.5点、5点、2.5点、0)を設定し得点を算出します。
カテゴリ名称 | 評価内容 |
---|---|
サイトパフォーマンス |
ウェブサイトの表示速度、稼働率、応答性、表示の安定性を評価するカテゴリです。安定的にサイトにアクセスでき、サイト上でユーザ体験を損なわずアクセスできているかを総合的に評価します。 |
セキュリティ |
暗号化通信、アクセス制御、HTTPレスポンスヘッダなど、公開ホームページ上での基本的な対策状況を評価します。 |
プライバシー |
プライバシーやCookieに関するポリシー、個人情報保護に関する認証、運営企業情報など、信頼感を表す取り組みを評価します。 |
Gomezは、インターネット上で提供されるサービスを中立的な立場から評価・分析し、インターネット利用者の利便性向上とEコマース市場などの拡大に貢献するための情報提供・企業向けのアドバイスを目的とし、消費者・企業双方に対して利益となる情報を掲載しています。
Gomezを運用するゴメス・コンサルティング本部は、BBSec が2021年7月にモーニングスター株式会社より事業継承しております。
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