ゴメス・コンサルティング株式会社

2011年4月20日
ゴメス・コンサルティング株式会社

「Gomez IRサイトランキング2011」の発表について
~NTTドコモ、カプコン、ソフトバンクの3社が総合1位を獲得~

ゴメス・コンサルティング株式会社(以下、ゴメス)は本日、「Gomez IRサイトランキング2011」をゴメスのウェブサイト(https://www.gomez.co.jp/)上で発表しました。

この調査は毎年、国内の上場企業が提供する株主・投資家向け広報(IR)サイトの使いやすさや情報の充実度を評価することを目的として行っており、今回で5回目の発表となります。「ウェブサイトの使いやすさ」「財務・決算情報の充実度」「企業・経営情報の充実度」「情報開示の積極性・先進性」の4つの切り口から、投資家の視点に基づいて設定した291の調査項目により当社アナリストが評価を行い、総合的に優れたIRサイトのランキングを決定します。

「Gomez IRサイトランキング2011」は、以下のような結果になりました。

順位 得点 会社名 前回※
1位 8.45 エヌ・ティ・ティ・ドコモ 3位
1位 8.45 カプコン 1位
1位 8.45 ソフトバンク 4位
4位 8.30 東芝 1位
5位 8.23 富士フイルムホールディングス 4位
6位 8.21 東京瓦斯 18位
7位 8.06 ミネベア 10位
8位 8.01 KDDI 6位
9位 7.96 富士重工業 10位
10位 7.93 日本電気 52位

※前回は「Gomez IRサイトランキング2010」(2010年4月14日発表)

また、新興市場(ジャスダック、マザーズなど)上場企業を対象にした「新興市場IRサイトランキング2011」は、以下のような結果になりました。

順位 得点 会社名 前回※
1位 6.37 エムティーアイ(ジャスダック) 4位
1位 6.37 ジュピターテレコム(ジャスダック) 1位
3位 6.11 セブン銀行(ジャスダック) 5位
4位 6.01 サイバーエージェント(マザーズ) 3位
5位 5.98 フィールズ(ジャスダック) 6位

*前回は「Gomez 新興市場IRサイトランキング2010」(2010年4月14日発表)

【ランキング上位企業の評価理由】

エヌ・ティ・ティ・ドコモ

エヌ・ティ・ティ・ドコモのIRサイトは、アニュアルレポートや決算説明会資料など、多彩なIR資料を掲載し、事業データや月次契約数を開示しています。オンライン(HTML)版ドコモ通信や充実した個人投資家向け情報などのわかりやすいコンテンツづくり、そして、IR資料室をはじめとした資料の探しやすさに配慮されたサイトづくりも、引き続き高い評価となっています。

カプコン

カプコンのIRサイトは、決算説明会資料と動画配信、説明会の発言要旨や質疑応答の公開、豊富な決算データなど、多彩な情報を開示しています。事業内容や事業戦略など、ビジュアル等を活用して直感的な理解を促すわかりやすいコンテンツづくりにも優れ、情報・使いやすさの両面において完成度の高いIRサイトを構築しています(3年連続での第1位獲得となります)。

ソフトバンク

ソフトバンクのIRサイトは、各種ディスクロージャ資料を掲載し、決算説明会や記者説明会など、動画を活用したコンテンツ提供も幅広く行われています。今回、業績見通しや事業データ、戦略やガバナンスに関する幅広い情報が新たに掲載され、経営状況を伝える諸々の改善がなされました。また、ソーシャルメディアとの連携もあり、進取の気概に富むIRサイトとなっています。

【総評とIRサイトのトレンド】

「IRサイト優秀企業」は前回比6社減の123社

「IRサイトランキング2011」が予選調査の対象とする国内上場企業IRサイトの総数は、3,614社となりました。上場廃止が相次ぎ、前回2010年調査から100社近い減少となっています。また、総合得点6.00以上の「IRサイト優秀企業」は123社となりました。株主総会情報などの重要性に鑑みた評価基準の厳格化も相まって、前回129社から6社減となっています。

コーポレートガバナンス・株主総会関連の情報掲載が進む

IRサイト全体の傾向として、引き続きディスクロージャ資料の掲載において改善が進んでいる点があげられます。中でもコーポレートガバナンスに関連する情報開示が大きく進展しています。コーポレートガバナンス情報ページの開設、株主総会の招集・決議通知、そして議決権行使結果(臨時報告書)などの株主総会コンテンツが充実したことに加え、ガバナンス情報が充実した有価証券報告書を自社サイトに掲載する企業も増えています。

一部企業で出始めた先進的な取り組み

HOYAをはじめ、いくつかの企業がHTMLによるオンライン版のアニュアルレポートページを立ち上げました。その他、決算説明会プレゼンテーションの発言要旨や質疑応答の文面公開、ソーシャルメディアとの連携なども見られるようになりました。まだまだ数は少ないながらも、世界的な基準に合わせたIRサイト改善の取り組みが少しずつ動き出しています

【IRサイトランキング2011 優秀企業123社一覧】

得点 会社名
8.45 エヌ・ティ・ティ・ドコモ
8.45 カプコン
8.45 ソフトバンク
8.30 東芝
8.23 富士フイルムホールディングス
8.21 東京瓦斯
8.06 ミネベア
8.01 KDDI
7.96 富士重工業
7.93 日本電気
7.92 キリンホールディングス
7.78 東京海上ホールディングス
7.78 三井物産
7.69 ファーストリテイリング
7.69 三菱UFJフィナンシャル・グループ
7.67 ベネッセホールディングス
7.66 富士電機ホールディングス
7.53 オムロン
7.53 帝人
7.44 三菱商事
7.41 オリエンタルランド
7.41 TDK
7.40 中外製薬
7.40 アステラス製薬
7.37 みずほフィナンシャルグループ
7.36 T&Dホールディングス
7.33 伊藤忠商事
7.30 双日
7.27 JXホールディングス
7.27 日本電信電話
7.21 エヌ・ティ・ティ都市開発
7.19 ニコン
7.18 エヌ・ティ・ティ・データ
7.15 富士通
7.09 第一三共
7.08 東レ
7.07 SBIホールディングス
7.07 野村ホールディングス
7.06 コニカミノルタホールディングス
7.05 日本郵船
7.00 住友商事
6.99 コスモ石油
6.98 積水化学工業
6.93 プロミス
6.85 セガサミーホールディングス
6.81 リコー
6.81 東京エレクトロン
6.79 東京電力
6.78 三菱重工業※
6.78 旭化成
6.78 MS&ADインシュアランスグループホールディングス
6.78 アサヒビール
6.78 ソニーフィナンシャルホールディングス
6.77 ヤマトホールディングス
6.77 パナソニック
6.77 グローリー※
6.76 古河電気工業
6.73 マツダ
6.72 日本板硝子
6.72 エーザイ
6.69 資生堂
6.68 国際石油開発帝石
得点 会社名
6.68 日本水産
6.67 クラレ
6.65 バンダイナムコホールディングス
6.65 日本ユニシス
6.64 ソネットエンタテインメント※
6.61 トプコン
6.59 シャープ
6.56 商船三井
6.52 大和証券グループ本社
6.48 ライオン
6.48 丸紅
6.48 マネックスグループ
6.47 キユーピー
6.46 東急不動産
6.44 キヤノン※
6.44 東京急行電鉄※
6.43 ルネサスエレクトロニクス
6.40 キヤノンマーケティングジャパン
6.38 住友化学※
6.37 エムティーアイ
6.37 ジュピターテレコム
6.34 エルピーダメモリ
6.33 日産自動車
6.33 コカ・コーラウェスト
6.32 ヤマハ
6.31 リコーリース
6.30 TOTO
6.30 ニチレイ
6.29 小松製作所
6.28 サークルKサンクス
6.27 旭硝子
6.27 大日本住友製薬※
6.26 インターネットイニシアティブ
6.23 NKSJホールディングス
6.23 電通
6.21 日立電線
6.19 電源開発
6.17 日清紡ホールディングス
6.16 三井化学
6.15 横河電機
6.14 スクウェア・エニックス・ホールディングス※
6.11 りそなホールディングス
6.11 セブン銀行
6.10 出光興産
6.10 トーセイ
6.08 日清食品ホールディングス
6.08 吉野家ホールディングス
6.07 シスメックス
6.06 武田薬品工業
6.05 日本たばこ産業※
6.05 日立製作所
6.04 三井住友フィナンシャルグループ
6.02 川崎重工業※
6.01 ネクスト
6.01 新生銀行
6.01 ファミリーマート
6.01 サイバーエージェント
6.01 三菱電機
6.01 三井不動産
6.00 住友信託銀行
6.00 ぐるなび

※2011年新規選出企業、および再選出企業

【トピックス(1) 業種別ランキング第1位企業】

業種 得点 会社名
水産・農林業 6.68 日本水産
鉱業 6.68 国際石油開発帝石
建設業 5.47 住友林業
食料品 7.92 キリンホールディングス
繊維製品 7.53 帝人
パルプ・紙 5.50 日本製紙グループ本社
化学 8.23 富士フイルムホールディングス
医薬品※ 7.40 中外製薬、アステラス製薬
石油・石炭製品※ 7.27 JXホールディングス
ゴム製品 5.92 ブリヂストン
ガラス・土石製品 6.72 日本板硝子
鉄鋼※ 5.82 住友金属工業
非鉄金属 6.76 古河電気工業
金属製品 4.74 住生活グループ
機械※ 6.85 セガサミーホールディングス
電気機器 8.30 東芝
輸送用機器 7.96 富士重工業
業種 得点 会社名
精密機器 7.19 ニコン
その他製品 6.65 バンダイナムコホールディングス
電気・ガス業 8.21 東京瓦斯
陸運業 6.77 ヤマトホールディングス
海運業 7.05 日本郵船
空運業 5.44 全日本空輸
倉庫・運輸関連業 5.41 近鉄エクスプレス
情報・通信業※ 8.45 エヌ・ティ・ティ・ドコモ、カプコン、ソフトバンク
卸売業 7.78 三井物産
小売業 7.69 ファーストリテイリング
銀行業 7.69 三菱UFJフィナンシャル・グループ
証券・商品先物取引業※ 7.07 SBIホールディングス、野村ホールディングス
保険業 7.78 東京海上ホールディングス
その他金融業 6.93 プロミス
不動産業 7.21 エヌ・ティ・ティ都市開発
サービス業 7.67 ベネッセホールディングス

※前回調査(2010年4月14日発表)から第1位企業の変更があった業種

【トピックス(2) 2010年調査から改善著しい企業】

今回もIRサイトのリニューアルや、情報・機能の追加により、ウェブIRを強化する企業が数多くみられました。その中でも、とくに大きなスコア改善が見られた企業(2010年調査時よりスコアを大きく伸ばした企業、および、2010年ランキング調査対象外から大きくスコアを伸ばして今回ノミネート入りした企業)を選出しました。

前回調査からスコアを大きく伸ばした企業

前回比 得点 会社名
+2.91 6.44 東京急行電鉄
+1.82 6.38 住友化学
+1.75 5.82 住友金属工業
+1.54 6.27 大日本住友製薬
+1.51 6.77 グローリー

前回調査対象外から新規ノミネートした企業

前回 得点 会社名
予選落 6.02 川崎重工業
予選落 5.95 HOYA
予選落 5.54 ヒューリック
予選落 5.31 ほくほくフィナンシャルグループ
予選落 5.14 エイベックス・グループ・ホールディングス

【ご参考:調査概要】

【ご参考:評価カテゴリの名称と評価内容】

カテゴリ名称 評価内容
ウェブサイトの使いやすさ IR情報を提供するウェブサイト全体のユーザビリティを評価するカテゴリです。情報の見つけやすさや各コンテンツの見やすさ・使いやすさ、ウェブ・アクセシビリティ基準への対応状況等を総合的に評価します。
財務・決算情報の充実度 財務や決算に関する情報量を評価するカテゴリです。ウェブサイト上に掲載されたディスクロージャ資料や説明会情報など、主に業績を中心とする定量的な情報の充実度を総合的に評価します。
企業・経営情報の充実度 会社や事業に関する情報量について評価するカテゴリです。事業や経営戦略、コーポレートガバナンスと株主総会、CSRなど、企業に関する定性的な情報の充実度を総合的に評価します。
情報開示の積極性・先進性 基本情報の一歩先を進んだ情報開示を評価するカテゴリです。個人投資家向け情報や事業トピックスなどのコンテンツ面、メール配信やストリーミングなどの機能面の両面から評価します。

【本件に関するお問い合わせ】
リサーチ事業部チーフアナリスト 篠田英実
電話:03-5338-7436/FAX:03-3589-7965
Eメール gomez-info@gomez.co.jp

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