2009年6月12日
ゴメス・コンサルティング株式会社
「業界別サイトパフォーマンス動向(2009年6月)」の発表について
~マイクロソフト社の「Bing」を含む検索サイト12サイトを追加調査~
ゴメス・コンサルティング株式会社(以下、ゴメス)は本日、Webサイトパフォーマンス測定ツールGomez Performance Networks(以下、GPN)で計測した「業界別サイトパフォーマンス動向」を発表いたしました。
Webサイトの利便性を左右する主な要素として、デザイン、レイアウトといった目に見える点だけではなく、ユーザーが体感する「サイトパフォーマンス」の重要性が高まってきております。
サイトパフォーマンスは、表示速度(ページが完全に表示されるまでの時間)及びページ稼働率(正常に表示された回数/テスト回数)の計測結果により示されます。
当調査は、各業界別にサイトパフォーマンスを比較評価することを通じ、インターネットの総合的な利便性向上に資することを目的に発表しております。
今回は、業界別の月間動向に加え、日本国内でサービス提供している検索サイト12サイトのトップページの表示速度を調査いたしました。検索サイトの選定基準としては、1.独自の日本語のWeb検索を行っている。2.ロボット型を使用している。等により選定しております。測定期間は、6月2日から9日までの1週間とし、各検索サイトのトップページを1時間に1回、国内2拠点から計測した平均値により順位を決定しております。上位3サイトに関するコメント及び測定結果の概要は次の通りです。
1位は0.224秒で国産の独自検索ASPエンジンをサービスしているマーズフラッグとなりました。通常時の速さに加え、遅延発生時でも1.8秒台が1回しか計測されず、安定したサイト運用が伺えます。
2位は0.374秒でグーグルとなりました。グーグルはサイトパフォーマンスを常に意識してサイトを運用していますが、今回の数値はそのデータを裏付ける結果といえます。
3位は0.538秒でヤフーとなりました。ヤフーサイトは画像数が多い中で速い数値となっており、同様に画像数が多い一般サイトにおいてもサイトパフォーマンスを管理する上で、参考とすべきパフォーマンス管理ノウハウが多数実行されております。
なお、マイクロソフトの新検索エンジンサイト「Bing」の日本ベータ版は0.795秒で5位となりました。一般的なサイトと比較すると高いパフォーマンスといえます。しかし、先行するグーグルとヤフーの2社がそれ以上のサイトパフォーマンスを計測しているため、現在のベータ版から正式なリリース時には、よりいっそうのサイトパフォーマンス向上が求められると考えられます。
ゴメスでは、検索サイトに求められる表示速度は1秒以内と考えておりますが、今回の計測では12サイト中5サイトで、1秒以内が達成されています。また、サイト稼働率は12サイト中11サイトで100%を記録し、高い安定性を誇っていました。
【検索サイトのサイトパフォーマンス測定結果】
測定期間:2009年6月2日(火)17:00~2009年6月9日(火)17:00の1週間
測定環境:国内2箇所のデータセンターから外部インターネット環境を通して各サイトのトップページ表示速度を計測。(10Mbpsのネットワーク接続環境)
サイト名 | 表示速度(秒) | サイト稼動率(%) | |
---|---|---|---|
1 | マーズフラッグ | 0.224 | 100 |
2 | グーグル | 0.374 | 100 |
3 | ヤフー | 0.538 | 100 |
4 | 百度 | 0.549 | 100 |
5 | Bing | 0.795 | 100 |
12サイト平均 | 2.500 | 97.51 |
6位以下の順位は次のとおりです。
6位エキサイト、7位goo、8位MSN japan、9位インフォシーク、10位Ask.jp、11位ライブドア、12位sagool.jp
【銀行・証券・航空・不動産・新聞業界のサイトパフォーマンス測定結果】
測定期間:2009年5月1日(金)~2009年5月28日(木)の4週間
測定環境:国内2箇所のデータセンターから外部インターネット環境を通して各サイトのトップページ表示速度を計測。(10Mbpsのネットワーク接続環境)
-が改善を表し、+が劣化を表します。
業界別の平均
業界 | 表示速度(秒) | 前月比 | サイト稼動率(%) |
---|---|---|---|
銀行業界 14社 | 2.102 | +0.136 | 98.90 |
証券業界 9社 | 3.494 | +0.222 | 99.99 |
航空業界 8社 | 2.136 | +0.100 | 99.96 |
不動産業界 17社 | 2.020 | +0.156 | 99.56 |
新聞業界 4社 | 2.780 | +0.082 | 99.75 |
銀行業界
順位 | サイト名 | 表示速度(秒) | 前月比 | サイト稼動率(%) | 前月順位 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 住友信託銀行 | 1.299 | +0.030 | 100 | 1 |
2 | ジャパンネット銀行 | 1.306 | +0.017 | 100 | 2 |
3 | 三井住友銀行 | 1.409 | +0.095 | 100 | 3 |
4 | 三菱東京UFJ銀行 | 1.576 | +0.057 | 100 | 6 |
5 | セブン銀行 | 1.652 | +0.206 | 100 | 4 |
6位以下の順位は次のとおりです。
6位みずほ銀行、7位新生銀行、8位ソニー銀行、9位中央三井信託銀行、10位ゆうちょ銀行、11位りそな銀行、12位住信SBIネット銀行、13位シティバンク銀行、14位イーバンク銀行
証券業界
順位 | サイト名 | 表示速度(秒) | 前月比 | サイト稼動率(%) | 前月順位 |
---|---|---|---|---|---|
1 | カブドットコム証券 | 0.575 | +0.090 | 99.93 | 1 |
2 | SBI証券 | 1.194 | +0.087 | 100 | 2 |
3 | 日興コーディアル証券 | 1.683 | +0.162 | 100 | 3 |
4 | 大和証券 | 2.011 | +0.401 | 100 | 4 |
5 | マネックス証券 | 2.244 | +0.277 | 100 | 5 |
6位以下の順位は次のとおりです。
6位野村證券、7位ジョインベスト証券、8位松井証券、9位楽天証券
航空業界
順位 | サイト名 | 表示速度(秒) | 前回比(秒) | サイト稼動率(%) | 前回順位 |
---|---|---|---|---|---|
1 | スカイネットアジア航空 | 0.411 | +0.082 | 100 | 1 |
2 | スカイマーク エアラインズ | 0.853 | +0.139 | 100 | 2 |
3 | AIR DO | 1.168 | +0.081 | 100 | 3 |
4 | ANA SKY WEB | 2.051 | +0.124 | 99.93 | 4 |
5 | スターフライヤー | 2.832 | +0.255 | 99.93 | 5 |
6位以下の順位は次のとおりです。
6位エアーニッポン、7位JAL、8位国内線.com
不動産業界
順位 | サイト名 | 表示速度(秒) | 前回比(秒) | サイト稼動率(%) | 前回順位 |
---|---|---|---|---|---|
1 | エイブル | 0.871 | +0.106 | 100 | 2 |
2 | CHINTAI | 0.841 | +0.111 | 100 | 1 |
3 | アパマンショップ | 1.339 | +0.176 | 99.96 | 3 |
4 | Goo住宅・不動産 | 1.372 | +0.122 | 99.96 | 4 |
5 | HOME ADPARK | 1.595 | +0.064 | 99.93 | 7 |
6位以下の順位は次のとおりです。
6位HOME'S賃貸、7位楽天不動産 賃貸情報、8位at home web、9位フォレント、10位Yahoo! 不動産、11位シャーメゾン.com、12位レオパレス21、13位ピタットハウス、14位いい部屋ネット、15位ホームメイト、16位センチュリー21、17位ドッとあーる賃貸
新聞業界
順位 | サイト名 | 表示速度(秒) | 前回比(秒) | サイト稼動率(%) | 前回順位 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 読売新聞 | 1.769 | +0.221 | 100 | 1 |
2 | 日本経済新聞 | 2.370 | -0.285 | 98.99 | 2 |
3 | 朝日新聞 | 3.019 | -0.270 | 100 | 3 |
4 | 産経新聞 | 3.977 | +0.660 | 100 | 4 |
Webサイトの表示速度が遅くなる原因は多岐に渡りますが、一般的にはサーバ/ネットワークのスペックに加え、アプリケーションプログラムの複雑さ、1ページのページバイト数やオブジェクト数、JavaScriptやCSSの処理の複雑さなどが要因となります。
ゴメスでは、表示速度の客観的な測定とその改善施策をサイト運営企業にご提供することにより、ユーザーにとって満足度の高い、安定的で速度の速いWebサイトの実現をサポートしてまいります。
サイトパフォーマンスに関連しゴメスでは6月23日(火)に「Webサイトパフォーマンス管理と客観的評価手法セミナー~レスポンスタイムの向上でコンバーション率アップへ~」を開催します。詳細につきましてはセミナー情報ページ(https://www.gomez.co.jp/seminar/index.html)をご確認ください。